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Vol.21
テクノロジーの探求、IRACEMAが贈るファッションを通じたデジタル体験


パリを拠点とするクリエイティブディレクター兼デザイナーIracema Trevisan(イラセマ・トレヴィサン)。
彼女が生み出すARのデジタル体験について紐解いていく。







ーブランドコンセプトとその始まりについて教えてください。



私のデザインスタジオは2015年に始まり、年々さまざまな分野へ活動を広げるようになりました。
最初は『Heart Heart Heart』というブランド名でスカーフのテキスタイルデザインを手掛けていましたが、そのうちに拡張現実(AR)や仮想現実(VR)、アニメーションといったデジタル体験の分野に興味を持ち、構想や開発をスタートしました。
私の原動力はそういったテクノロジーと自然の融合であり、ファッションを通じてナラティブを発展させる新しい方法を常に研究しています。

ーARアートワークを物理的なTシャツに組み込むことにした理由を教えてください。



私はナラティブに興味があります。
単なるグラフィック以上のものを通じてストーリーを伝えるにはどうすればよいでしょうか。AR はまさにそれを実現する方法だと思っています。
ARはグラフィックを動かし、デジタル的な方法で生き生きとさせることができます。私にとってARは、最初にデザインが目に入ってくる方法のひとつです。





ー現在、興味を持っているテクノロジーや、あなたのクリエイティブな作業に影響を与えているテクノロジーはありますか?



はい、今は大規模言語モデルやAIにとても興味を持っています。これはパワフルな新しいツールだと思っています。
ただそのツールの最大の課題は、それをどううまくコントロールして創造性に役立てるかです。

このプロジェクトでは、AI を使用して新しい昆虫や見たことのない花を生み出しました。





ーWILDSIDE YOHJI YAMAMOTOをパートナーに選んだ理由は何ですか?



私は山本耀司氏の作品に深く感銘を受けており、彼のアプローチと一貫性にとても刺激を受けています。
また、アーティストやブランドに惜しみなくプラットフォームを提供するというWILDSIDEのコンセプトも大好きです。
このプロジェクトに参加できることは私にとって光栄です。


ー最後に、あなたの製品を初めて手に取るお客様にメッセージをお願いします。



お客様には、アイテムにプリントされた各アートワークに埋め込まれたアニメーションを見て楽しんでいただきたいです!
アイテムごとにそれぞれ異なるアニメーションがあります。また、AIというテクノロジーの活用が、皆様にとって新しいツールの発見と楽しみになることを願っています。




Profiles
Iracema Trevisan(イラセマ・トレヴィサン)
IRACEMA クリエイティブディレクター兼デザイナー
ブラジルで生まれ育ち、ファッションデザイナー・ヘルコビッチアレキサンドレのアシスタントをしながら、ファッションの仕事と並行して、ブラジルのディスコ・パンク・バンドグループ『CSS』を結成し、音楽活動を行う。
2008年にパリに移住し、ファッション校である『アンスティチュ・フランセ・ドゥ・ラ・モード』を卒業後、様々なファッションハウスにて、テキスタイルとプリントデザイナーとしてのキャリアをスタート。
その後、自身のスカーフブランド『Heart Heart Heart』を立ち上げ、2015年には拡張現実(AR)を取り入れたスカーフのコレクションを発表。
現在は、テキスタイル・デザインと、モーションやARのアートディレクションの2つの分野を軸に活動している。
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