
2005年の誕生から、いまや国民的タイトルとして支持を広げ続けている『龍が如く』シリーズ。
全作の制作に携わってきた横山昌義氏の新作コラボレーションに込めた想いとは。
― 2005年から続く『龍が如く』シリーズの全てに携わられている横山さんですが、これだけの長い期間支持されている本シリーズの面白さはどこにあるとお考えでしょうか。
最初に、私自身はゲームとファッションというものの楽しみ方は、かなり近しいものだと感じています。
ゲームという商品の中には、たまたま映り込んだものや、偶然発生するイベントなどは一切存在しません。
画面中に存在するすべてのものはクリエイターが計算して作り出したものとなります。
ストーリーやキャラクターなどが素晴らしいと評価いただくことが多いですが、実はそこに自由度はありません。
「良い洋服」というものもゲーム同様、デザイナーや製作に関わるすべての方々が、細部に渡り徹底的に作りこまれたものなのだと思います。
ではそんな一分の隙もない商品を、ユーザーはどのように楽しんでいるのでしょうか?
その答えのひとつが、“体験”なのだと考えています。
ゲームという作りこまれた架空世界の中で、ユーザーは「桐生一馬」や「春日一番」というキャラクターに成りかわり、自由に街を動きまわり、さまざまな“体験”をする。それは憧れの洋服を身にまとうことで、新しく生まれ変わった“自分”というキャラクターが、さまざまな“体験を楽しむ”というファッションの楽しみ方と同じなのではないかと思います。
明確なコンセプトと強固な世界観。それを実体験として楽しむことができる。
まさにファンションを楽しむのと同じような感覚で、もうひとつの生活を楽しめることこそが、『龍が如く』の真の魅力なのではないかと思っています。
― ゲームはもちろん、ゲーム外でも『龍が如く』の世界観を魅力的なものにされているヒントと、そのコラボレーションパートナーとしてWILDSIDE YOHJI YAMAMOTOを選んでいただいた背景についてお話いただけますでしょうか。
実写映画や映像の世界であれば、キャストとキャラクターを重ね合わせ、双方のファンになることも可能ですが、ゲームやアニメーションの世界では、いくらキャラクターを好きなったとしても、高ぶる情熱をぶつけることができる“相手”は(リアルには)存在しません。
しかしファンであれば、いつもその世界や存在を感じていたいものです。
これまでも『龍が如く』シリーズでは、そういったファンの皆様のご要望に応えるべく、さまざまなグッズを製作したり、キャストの方や制作者と交流できるイベントを開催したりしてきました。
そんな中、ずっと私が考えていたのはキャストやクリエイター、そしてファンの方が同じ「肌身で感じられる何か」を作りたいということでした。
それを叶えるための手段が、コラボレーションによる洋服作りとなります。




人気のキャラクターイラストやロゴイラストに寄ったデザインのものだけではない、『龍が如く』という存在そのものを感じながら、日常のさまざまなシチュエーションで“一緒にいたくなる”存在。
上質な肌触りや着心地といった感覚を、『龍が如く』に関わるすべての人々が共有できるような相棒をつくってみたい。
そんな理想を実現するためには『龍が如く』という強烈な世界観を“日常と非日常”の両方に落とし込むことができるデザイン力と、卓越した技術力を持つWILDSIDE YOHJI YAMAMOTOさんとのコラボレーションが必要でした。

第2弾コラボレーションアイテムのモチーフとなったキャラクターの刺青
― 昨年10月に販売し大好評だった、WILDSIDE×龍が如くスタジオ コラボレーションに続く、第2弾がいよいよ発売になりますが、他にない非常にユニークな商品ラインナップとなりました。横山さんが特に気に入っているアイテムやそのポイントなどはありますか。
コラボレーションの第1弾が、「龍が如くと過ごす日常」だとするなら、今回の第二弾は『龍が如く』が持つ妖しい魅力の深層に迫る、「日常と非日常の間」を楽しめるラインナップだと思っております。
その中で特に私が気に入っているのは『WILDSIDE × 龍が如くスタジオ 「応龍」 ジャケット』です。


見た目はクラシックな2Bジャケット。
でも角度を変えれば妖しげな色気を放つ“龍”が顔を見せる。
まさに様々な経験をしてきた大人の男が見せる”善と悪、両方の魅力”が表現された商品だと思います。

― 龍が如くスタジオの代表である横山氏の、今後のスタジオ全体の展望を教えてください。
新たなプロジェクトについては話せないことばかりですが、少なくともこの先も「龍が如くスタジオ」は立ち止まることはないと思います。
ゲームを愛するすべての人々だけではなく、ファッションを楽しむすべての人々にとっても、『龍が如く』という存在が共通の言語として語られる未来を目指しています。 そのための重要なパートナーとしてWILDSIDE YOHJI YAMAMOTOさんと、これからも歩んでいけたら幸いです。
― 今回のコラボレーションアイテムを手に取るWILDSIDEのユーザーにメッセージをお願いします。
よく、「こういう服が着られるように俺もなりたいです。」というようなお声を、特にゲームユーザーの方から頂くことがあります。
しかし洋服というものは、時間が経てば、経験を積めば、着られるようになるものではないと思います。
憧れの洋服を着ることこそが、自分が憧れる理想像に近づく第一歩なのだと思います。
俺は、私は、こういう存在になりたい。 洋服というアイテムは自分の個性を作り出すための最初のきっかけとなるのではないでしょうか?
一緒に『龍が如く』とWILDSIDEさんが作り出す世界を共有しませんか?

横山 昌義 MASAYOSHI YOKOYAMA
株式会社セガ 執行役員
龍が如くスタジオ 代表 / 制作総指揮
2005年の『龍が如く』第1作からシリーズ全作に携わる中心メンバーとして、脚本・演出・プロデュースを手がける。
以降、数々のタイトルを成功に導き、『龍が如くスタジオ』の代表として現在もシリーズの世界観を牽引。重厚な物語性と圧倒的な臨場感で、ゲームを超えた“体験”を提供し続けている。