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Vol.26
M/M (Paris) x WILDSIDEのコラボレーションで表現するL'ABC D'ORSAY

M/M (Paris)のマティアス・オーギュスティニアックのドローイングを通して、アートとファッションを融合させた印象的な新しいコラボレーションコレクションを深掘る。

 

マティアス・オーギュスティニアックとミカエル・アムザラグによって1992年に設立され、グラフィックデザイン、タイポグラフィー、アート、ファッションの幅広い分野で活動するクリエイティブユニットM/M (Paris)とWILDSIDEのコラボレーションが実現した。

そのコラボレーションアイテムのデザインモチーフとなったのが、「L'Alphabet D'Orsay」だ。

「L'Alphabet D'Orsay」は、オルセー美術館のコレクションに収められた26人のアーティストをテーマに、M/M (Paris)のマティアス・オーギュスティニアックが制作した有名な手書きタイポグラフィーであり、彼が万年筆を「人間の地震計」のように使い、ローザ・ボヌール、アンリ・ファンタン=ラトゥール、エミール・ゾラ、エドゥアール・マネなどの人物像を捉え、アーティストそれぞれの作品からインスパイアされたモチーフで26のイニシャルを制作したもの。

WILDSIDEとのコラボレーションでは、その「L'Alphabet D'Orsay」を再解釈し、新たな形でデザインを落とし込んだアイテムが登場する。

“M”や“Y”、”W”の頭文字を配置しデザインされたINITIAL SERIESやALL OVER SERIES、また、ヴァン・ゴッホ、マネ、ゴーギャン、ゾラなどを参照するイラストとともにアルファベットが登場し、ダイナミックな構図の中に重なり合ったARTWORK SERIES。

【INITIAL SERIES】

【ALL OVER SERIES】


【ART WORK SERIES】


そして、「L'Alphabet D'Orsay」で構成された”WILDSIDE”や“YOHJI”の文字がコラボレーションを象徴するWILDSIDE SERIESの4つのシリーズが登場し、計10アイテムがラインナップしている。

【WILDSIDE SERIES】


このコレクションは、黒と白を基調にしながら、オレンジ、ブラウン、イエローなどのアクセントカラーにより、テキストとイメージの相互作用を強調しており、M/M (Paris)のこだわりが細部に詰まったデザインが見どころ。
また、M/M (Paris)によりファッションをウェアラブルなキャンバスに変えることで、アートの歴史と現代のデザインの架け橋のような印象を持つ特別なアイテムに仕上がっている。
 
M/M(Paris)のマティアス・オーギュスティニアックとミカエル・アムザラグは以下のように語っている。
 
「タイポグラフィーは私たちの実践の中心にあります。単なるコミュニケーションのツールとしてだけでなく、再発明のための空間として。そして、Yohji Yamamotoとのコラボレーションは、自然に共鳴をしました。なぜならば、歴史を見つめ直し、現在を再構築するという共通の言語を持っているからです。」

M/M (Paris)とYohji Yamamotoの出会いは1994年にまで遡る。
パリのブティックオープンのための招待状の制作から始まり、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、数々のキャンペーンや出版物、カタログを生み出し、30年以上経った今でも両者でのクリエイティブな対話は続いている。
 
現在も、M/M (Paris)は、タイポグラフィー、ビジュアルストーリーテリング、現代デザインの境界を挑戦し続け、Yohji Yamamotoはテーラリングと芸術的な反骨精神の境界に挑戦し続けるのである。
 



Profiles
M/M (Paris)(エムエムパリス)
マティアス・オーギュスティニアックとミカエル・アムザラグによって1992年に設立され、グラフィックデザイン、タイポグラフィー、アート、ファッションの交差点で活動するクリエイティブユニット。
パリのアートスクールで知り合い、卒業後の1992年にM/M(Paris)を立ち上げた。
M/M(Paris)の作品には、使用する写真に文字を効果的に組み合わせる「タイポグラフィ」という手法が多く使われているのが特徴。 M/M(Paris)は、結成から20年以上にわたり、数々のラグジュアリーメゾンとのコラボレーションワークや、著名アーティストのアルバムやミュージックビデオを手掛け、ファッション、アート、音楽などの分野で活動し世界中の人々を魅了し続けている。