隠された魅力をあえて表に出すことで、本質を問う
2026.3.26
隠された魅力をあえて表に出すことで、本質を問う
龍が如くスタジオ 代表 / 制作総指揮
横山 昌義

第4弾となるコラボレーションでは、刺青を「コラージュ」という技法で再構築。
その表現がもたらす魅力を、横山氏のインタビューから紐解く。




ーコラボレーションの第1弾が「龍が如く」と過ごす"日常"、第2弾は「龍が如く」が持つ妖しい魅力の深層に迫る"日常と非日常の間"でした。今回の第4弾は20周年を記念しておりますが、ずばりテーマに落とし込むなら、どんな表現が合いそうでしょうか?

昨年の12月8日に龍が如くシリーズ20周年を迎えることができました。
当初は任侠映画の延長的なイメージから始まった「龍が如く」ですが、この20年間で世間のイメージやファンの方の客層も一変し、今では親子3世代でゲームを楽しんでくださっている方もいます。

龍が如くスタジオでは昨年から今年にかけて、そんなファンの方々への感謝の意味を込めて様々なリアルイベントや商品化に取り組んでいます。
老若男女、どの世代のファンでも必ず欲しいと思えるものがあるように商品ラインナップを取り揃える中、 その最高峰に位置する、「龍が如く」の在り方を象徴する商品を作りたいと思っていました。

20年間ブランドの象徴的なアイコンとして機能してきた「刺青柄」デザインですが、本来刺青というものは生き方を表すものであり、表に出すのではなく「隠すもの」です。
これまでもWILDSIDEさまにはこの刺青柄を堂々と表に出すデザインの商品開発をしていただいていました。

隠された魅力をあえて表に出すことで、本質を問う。
今回はそういったコンセプトの終着点ともいうべき、複数の刺青柄が融合した「混沌とした世界」を表現してくださったと思っています。

親子3世代が遊ぶ「龍が如く」の魅力とは一体何なのか?
それは私自身にも明確な答えはありません。
ただひとつ言えるのは、ファンの方々が皆それぞれに独自の楽しみ方をされているということです。

ストーリーが好きという方もいれば、アクションが好きという方もいる。
キャラクターに惚れたという方もいれば、世界観そのものに惹かれる方もいる。
つまり「龍が如く」とは世の中の面白いやカッコいいが無造作に混ざり合った群像なんだと思います。

そんな混ざり合った龍が如くの魅力を、情熱的な赤色を入れることで再構築してくださった第4弾コレクションではないでしょうか?


ーまた、今回の第4弾は「龍が如く」に登場するキャラクターの刺青を「コラージュ」という技法を使って、服に落としこみました。ファッション的な「コラージュ」というアプローチには、どう感じられましたか。

本来刺青柄とはひとつひとつの柄にストーリーがあり、それを自らの身体に刻み込むことで、自身の在り方や生き様を表現するものなのだと思います。

「龍が如く」シリーズで採用されてきた刺青柄も、すべて彫師の「彫巴」さまと共に毎作、キャラクターの設定や背景、劇中での役割などを事細かに考えた上でデザインされたものです。

第4弾コラボレーションアイテムのモチーフとなったキャラクターの刺青


実は刺青柄を混ぜて使用することは数年前まで徹底して避けてきたことだったりもします。強烈な個性で成り立っている刺青を混ぜて使用すること自体、本来の用途やコンセプトから外れるものであり、またそこに触れることの恐怖感に近い感情もありました。

しかし4年前に「龍が如くスタジオ」の代表に私が就任した際、この枷を一度取り払い、代表的な柄をコラージュした大きな壁紙を作成しました。字やロゴやキャラクターでもなく、一目見て「龍が如く」の世界を感じてもらいたい。
理屈ではなく感覚で感じられるグラフィックとして、今でもスタジオ内にある撮影ブースの顔として活躍してもらっています。

今回WILDSIDEさまに制作いただいた第4弾は、まさにその掟破りのコラージュをいままで以上に正面に打ち出し、アパレルグッズとしてデザインしていただいてます。まさに「纏える龍が如くスタジオ」ともいえる商品に仕上がっているのではないでしょうか?

ー「ゲーム」という文脈で、横山さんが『龍が如く』シリーズを制作する上で、キャラクターの要素や、作品を象徴するものを「コラージュ」して制作する事例はありますか?

実は私、かなり影響を受けやすい人間です(笑)

過去の作品を振り返っても、開発していた期間に見ていたドラマや映画の影響を色濃く受けています。
私自身あまり数多くの作品を観たりはせず、どちらかというとすべてのセリフを覚えるくらい何度も何度も観てしまう方なのですが、そうやって自らの頭に取り込んだいくつかの作品を重ね合わせ張り合わせて、新しい自分なりのアウトプットしています。

つまり私のクリエイティブ自体、頭の中で起こしたコラージュなのです。


ーWILDSIDEとのコラボレーションも、今回で4度目になります。横山さんからみて、新たなファン層への波及・拡がり、また反応の変化はございましたか?

ゲームのIPがここまで製法やヒストリーに拘ったファッションアイテムを作ることは稀だと思います。
よく知人や仕事の関係者にも、「あんな金額の商品売れるんですか?」と聞かれたりもします(笑)

ただファンの方と実際にお会いするイベントなどでは、かなり多くの方がこれまで発売したコラボレーション商品を実際に着用して会場に足を運んでくれています。またシリーズ作にご出演された声優さんや俳優さんも、多数の方が自ら購入されてプライベートで着用してくれています。

ある意味IPを中心とした仲間のユニフォームに近いものになっている気がします。海外のファンの方からの問い合わせも多く、コラボレーションの回数を重ねていく中でよりワールドワイドにブランドを象徴するアイテムとして注目されていることも実感しています。


ー第4弾のなかで、横山さんのおすすめの商品を教えてください。

コーチジャケットは唯一「龍が如くスタジオ」のスタジオロゴがデザインされた商品となります。
背中にロゴだけをドン!と置くのではなく、WILDSIDE拘りのデザインで、一見すると刺青のコラージュに見えるがよく見るとロゴが浮かび上がるようなデザインは個人的にかなり気に入ってます。

あとコーチジャケットって仕事着としても良いんですよね。インナー選びませんし、サッと着れるし、堅苦しくないし。ほぼ毎日会社で着用しています(笑)


ー最後に『STRANGER THAN HEAVEN』『New VIRTUR FIGHTER Project』など、誠意的に新作に関する発表をされていますが、「龍が如くスタジオ」の今後の展開で、お話しできることがあれば教えてください。

現在開発中の『STRANGER THAN HEAVEN』『New VIRTUR FIGHTER Project』共々、2026年はこれまでの龍が如くのイメージが一変するような新たなタイトルの情報が出てくるだろう重要な一年となります。
まだ詳しいことはお話しできませんが、WILDSIDEさまともまた新しい取り組みができたらと密かにいろいろ企んでおりますので、ぜひ新しい「RGG STUDIO」の挑戦にご注目ください!

龍が如くスタジオ コラボレーションアイテムはこちらから


Profiles
横山 昌義 MASAYOSHI YOKOYAMA
株式会社セガ 執行役員
龍が如くスタジオ 代表 / 制作総指揮
2005年の『龍が如く』第1作からシリーズ全作に携わる中心メンバーとして、脚本・演出・プロデュースを手がける。
以降、数々のタイトルを成功に導き、『龍が如くスタジオ』の代表として現在もシリーズの世界観を牽引。重厚な物語性と圧倒的な臨場感で、ゲームを超えた“体験”を提供し続けている。